蓄音機を自分で作る

下のほうでベルリナーという蓄音機型プレーヤーを紹介していますが、これはたぶんエミール・ベルリナー(1851-1929)という人物の名前からとったものと思います。この人物こそ蓄音機の分野でトーマス・エジソン(1847-1931)のライバルにあたる発明家です。エジソンは知っているけどベルリナーって誰?って人が多いんじゃないでしょうか。ベルリナーが円盤型蓄音機を作った元祖になります。これがグラモフォンと呼ばれ、一方エジソンの蓄音機は円筒型でフォノグラフと呼ばれています。

ベルリナー式円盤蓄音機
これは、学研の「大人の科学」という箱物シリーズのひとつで、自分でキットを組み立てて完成させます。円盤として使うものはCDです。CDじゃなくても表面がツルツルしていれば流用できます。木綿針で盤にキズを付けて録音し、さらに再生します。この原理は我々にもなじみのあるアナログレコードの録音、再生と同じです。また、音を増幅するラッパの部分は紙コップを代用します。

新エジソン式コップ蓄音機
今度はエジソン考案の円筒型蓄音機のほうです。これも「大人の科学」シリーズのもので、学研が二人の方式をわざわざ差別化して商品化したことに拍手を送りたいです。新エジソンの蓄音機は、専用の針を使用することで、録音・再生機能が向上しているようです。というのは、実は私はこれの旧モデルを持っているのですが、確かに音量がかなり小さかったです。蓄音機の原理の勉強にはなりますが、とても実用レベルとしては使えませんでしたから(そもそもこれを録音・再生装置として使う人などいない)。少しは改善されたのかな? これは円盤型ではないのでCDを使わず、円筒の代用には樹脂製のコップを使います。こちらは約50秒間の録音、再生が可能となっています。

さて、エジソンはオカルトにも非常に興味を持っていたのを知っています? 晩年は死者と交信する装置をまじめに研究していたんですよ。実は歴史上の有名人にはオカルト研究者は結構います。私はオカルトという言葉があまり好きではない。なんかうさん臭い感じがするので。超自然科学とでも言うべきか..例えばシャーロックホームズで有名なコナンドイルも研究していました。降霊会なんかもやったりして。


 
 

蓄音機型のプレーヤー「ベルリナー」

これは蓄音機型のプレーヤー「ベルリナー」です。写真は小さいですがミニチュアではありません。レトロ感あふれるアンティーク調の蓄音機。いやプレーヤーなのです。寸法は、幅41×高さ75×奥行49cm、重量は11.4Kgという本格的なオーデイオ装置となっています。レトロな感じをかもし出す蓄音機の形なので、年配の方に限らず、シブイ雰囲気を愛好する人にはピッタリです。

内容としても充実していて、昔の思い出のアナログレコード、カセットテープのほかCDも再生できます。さらに、AM/FMラジオも標準装備。CD、レコード、ラジオはカセットテープに録音することもできます。また、左右に配置されているステレオスピーカーと40cmのホーン型スピーカーからも音を鳴らすことができます。デザインもさることながら、音質までもアンティークとして楽しむことができるのです。

アナログレコードはLP、SP盤ともに対応しており、33/45/78回転の3つのモードがあります。押入れに眠っているかもしれない昔聴いたレコードやカセットをもう一度引っ張り出して..涙を流してください。

実は知ってる人は知っていますが、現在普及しているCDのフォーマットである44.1KHzというサンプリング周波数は情報が欠落しています。かなり。アナログ盤に比べてノイズが格段に小さいのでクリアに聞こえていますが、超高音域をバッサリ切っているのでかなり硬い音質になっています。アナログ盤がなんか暖かい音がするというのはそのせいです。つまりデジタルである限りサンプリング周波数をどんどん上げていくとアナログに限りなく近づくことは可能ですが、決して同じにはなりません。

DATやDVDの時代になるにつれ48KHz以上のフォーマットが採用されるようになり(現在はもっと)、CDよりは良い音が楽しめるようになってきましたが、CDプレイヤーとは別に高価な機材を購入する必要があるので、なかなか普及しませんね。オーディオの話はいつか書いてみたいと思います。この世界は追求していくとキリがありません。今は手を出さないようにしていますが、一時期財産を失いかけました。おっと脱線しすぎましたね ^^;


蓄音機の時代

「蓄音機の時代」というタイトルの書籍です。デジタル化が急速に進む現在の世の中で、昔のアナログが持つ独特のあたたかさに惹かれる人は少なくないでしょう。

その中でも蓄音機で聴くSP盤の音には、CDでは出せない本物の迫力があります。その時代の音が溶け込んだ奥深い蓄音機の世界への手引きとして、いろいろな世代の方におすすめしたい一冊です。 この本では、日本一の蓄音機通として有名な著者、加藤玄生氏が蓄音機にまつわるあれこれを楽しく語ったものとなっています。ニュートンの時代にまでさかのぼるその歴史、蓄音機の音の秘密、針やSP盤についての意外な事実など、大変興味深い内容となっています。

 
 
 
 
参考

蓄音機、アナログに関して書かれている質問記事を集めました。
powered by 教えて!goo


古代ギリシャ人が、リーマン幾何学や蓄音機を作らなかった理由は何です

・・・なぜ、古代ギリシャ人がリーマン幾何学を作らなかったのですか。また、別のところで、エジソンが作った蓄音機は、数千年前の加工技術でも作れると読んだことがありますが、それならば、どうして、古代ギリシャ人が蓄音機を作らなかっ....

レコードについて

・・・エジソンが発明した蓄音機が、広く一般に普及するためには、さらに必要であったと思われる技術開発にはどのようなものがあったかわかったら教えてください(できればその理由も・・・。)参考になりそうなホームページをご存知でしたらそれもお願い....

古い『蓄音機』を買い取ってくれるところ

・・・えばいいのかわからないのですが、おそらく昭和初期ぐらいの古い『蓄音機』があるのですが、処分しようとしたところ、知人から、こういった古い『蓄音機』を買い取ってくれるお店?(業者?)があるという事を聞....

デジタル録音とアナログ録音

・・・PCに落とそうと思い、コードを買ってアナログ録音をしました。しかしiPodで聴いてみると、音がこもって全然クリアじゃないんです。例えてみるとAMラジオの様な感じです。アナログ録音をするとどうしても音がこもってしまうものなの....

レコードの音割れ

・・・オーディオ初心者です。レコードプレイヤーにアンプとスピーカーをつないでレコード鑑賞をしています。最近、アンプとレコード針を取り替えました。その結果、レコードをかけると音割れが目立つようになってしまいました。レコードの種類によって音割れがほとんどないものから聞....