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ボトルインクについて

現在、単にインクといえば、インクジェット型プリンターに使われる交換式のインクカートリッジを思い浮かべますが、ここでは万年筆用のボトルインクについてです。

一般のインクは顔料や染料を含んだ液体なのですが、万年筆用としては染料系のインクが多く用いられます。この場合、耐水性や耐光性にやや難があるので、日常においてはどうしても万年筆より、ボールペンというのもいなめません。

ただ、現在はインクも進化し、後述のように極黒という超微粒子の顔料系ボトルインクが出ています。そもそも顔料系のインクは染料系と違って耐水性や耐光性に優れていますが、目詰まりを起こしやすく、敬遠されてきたのです。その欠点が解消された感じです。

ボトルインクとは、瓶に入った形で販売されていますが、これは吸入式やコンバーター式の万年筆において使われます。使い捨てカートリッジの補充用ではありません。

 
 

ボトルインクあれこれ

一般的に万年筆メーカーはインクも同じメーカー純正のインクを使用することを推奨しているので、好みの万年筆で他社のインクを使用する場合はアフターサービスに影響がある場合があります。インクを単独で購入して使用する場合は多少注意が必要です。

さて、トップページでも紹介した香りのインク付き万年筆。これに付属のエルバン香りつきボトルインクですが、単体でも購入できます。カラーバリエーションは5色あり、ラベルにはそれぞれのカラーにちなんだイラストが描かれています。

このほかにもエルバンには「インビジブルインク」というのもあります。これはあぶり出し用インクです。ほぼ透明の薄いピンク色のインクです。紙に書くと文字が見えませんが、火であぶると文字が浮かんできます。冷やすと再び文字は消えるというものです。また、長期保存用に適した公証人用インクというのもあります。これはロッグウッドというタンニンを多く含んだ植物から作られた特別なインクです。時間が経過するとともに黒さが増してくるというインクです。


また、香水入りのインクとしては、ルビナート香水入りボトルインクというのもあります。これは標準的な水溶性インクで万年筆にも使えるようです。封を切っていないインクは、冷暗所に保管すれば長期間良い品質を保つことができ、封を切った場合でも1年ほどは香りは残っているそうです。

イタリアのメーカーのルビナート。ハンドメイドならではの繊細さを誇るメーカーで、1900年代初頭にガラス製品や羽根ペンなどの製造販売の店として、イタリア・ベネチアの郊外で創業されたブランドです。世界に誇るフィレンツェの金属加工、皮革加工、ベネチアのガラス加工技術をもとに作られるハンドメイドステーショナリー。


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さて、セーラー万年筆から極黒(キワグロ)というボトルインクが出ています。これは超微粒子顔料インクで、目詰まりしにくい,滲みにくい,裏写りしにくい,耐水性に優れる,長期保存文書に適しているなどの特徴があり、普通の黒インクとしてオススメできます。実際水に強いので、普段万年筆をあまり使わない人でも、年賀状なんかに使うと気持ちイイかもしれません。書き心地がなめらかなのも良いところで、色は本当に真っ黒です。ある意味、万年筆らしくないかもしれません。また、この極黒はボトルインクだけではなく、カートリッジタイプもあります。

こちらは、青墨(セイボク)。極黒と同様、耐水性に優れ、乾燥による目詰まりが無く筆跡がシャープで綺麗です。耐光性にも優れ、にじまず裏うつりもありません。書き味、品質ともに最高レベルを極めたハイグレードインクです。

ちなみに、以前「極黒」を探していて偶然見つけたのですが、極黒という高級筆があります。これはインクではなく、コスメ用のアイライナーです。アイラインが苦手な人でも簡単に手早く描ける..って全然関係ないですね ^^;


さて、 報画堂 というショップさんから、セーラー万年筆のインクブレンダー石丸 治氏の監修のもと、何度も打ち合わせを繰り返し製作された新色インクが登場しています。特徴は以下のとおりです。

【Bocchan Blue】
「坊っちゃん」をイメージした明るめの青系インク。江戸っ子気質に血気盛んで無鉄砲な青年として登場する坊っちゃんからは、若さ溢れる「青」をイメージ。

【Madonna Purple】
「マドンナ」をイメージした、大人の女性を意識させる鮮やかな濃い目の紫色のインク。

【The Redshirt】
「赤シャツ」をイメージした、名前の通り、実に鮮明な赤色のインク。

【Nodaiko Violet】
「野だいこ」をイメージしたインク。作中では赤シャツの腰巾着として登場する事もあり、赤シャツの影のような存在というイメージから、赤紫インクになりました。

【Uranari Green】
「うらなり」をイメージしたインクです。うらなりの語源はけっして良いイメージではありませんが、このインクは渋めで落ち着きのある、味のある緑色に仕上がっています。

【Yamaarashi Sepia】
「山嵐」をイメージしたセピア色のインクです。強情ではあるが、正義感の強い、そんなドッシリとしたイメージから、どこか落ち着きのあるセピア色に仕上がっています。

 
 
 
 

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参考

万年筆のインクに関して書かれている質問記事を集めました。
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万年筆の黒インクについて…

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